研究室生活:3年生から速いペースで基礎知識を習得し,卒業研究,さらに先を目指した準備をします.


 はじめに述べさせていただいた志を持つ学生の皆さんの希望を実現するため,水書研究室では,早期に研究活動を開始できるよう,研究ゼミナール1(第5セメスタ)から卒業研究に向けた準備を始めます,

 

  時期 内容

学部

3年

 

春学期

・衝撃波研究入門(高山和喜:衝撃波のおはなし,日本規格協会)

・実験精度に対する基礎(G.L. Squires:いかにして実験を行うか,丸善)

・衝撃波可視化計測の基礎(可視化情報学会編:光学的可視化計測,朝倉書店)

秋学期

・圧縮性流体力学の基礎(松尾一泰:圧縮性流体力学,オーム社)

・衝撃波実験装置の理論(松尾一泰:衝撃波の力学,理工学社)

・衝撃波管基礎実験(独自教材)

・卒業研究題目の決定

2・3月

 卒業研究題目を水書と相談の上,概略を決定します.その後,研究の基礎となる文献(参考図書,論文)が示されるので,各自で入手し,その内容についてまとめます.まとめたものは,3月末に発表してもらいます.また,場合によっては,衝撃波シンポジウム(3月)での先輩学生の発表を聴講して,学術集会とはどのようなものかを体験してもらいます.

学部

4年

4〜6月

  まとめた文献を元に,実験装置の設計・製作,実験条件を決定する.複数で1つのテーマに取り組む場合は,共同研究者と連携して進める.先輩学生から研究を引き継いだ場合は,再現実験を行い,実験技術を習得する.予備実験結果について,他研究室との合同発表会で報告する.指導教員と他研究室の教員から様々な質問に対して答えられるように発表資料を作成する.研究企画書を6月末に提出する.

7〜9月

  予備実験の結果を基に,本格実験に移行する.装置や実験方法に改良を加え,研究目標を達成可能な結果が得られるように試行錯誤する.実験技術を高めるためには,多くの時間を実験に割くように心がける.本格実験結果をまとめて,他研究室との合同発表会で発表する.指導教員と他研究室の教員から様々な質問に対して答えられるように発表資料を作成する.

10〜12月

 得られた本格実験結果から,水書と相談し,研究目標を完全に達成できるようにさらに実験条件を増やす.また,他の実験手法でアプローチするなどして,学会発表に値する研究成果を得ることを目指す.学科に提出する卒業論文原稿を遅くとも12月初旬に完成させる.卒業論文原稿に記載する範囲の研究結果をまとめ,他研究室との合同発表会で発表する.指導教員と他研究室の教員から様々な質問に対して答えられるように発表資料を作成する.

1〜3月  卒業論文原稿の完成度を高め る.必要な場合は,追加実験を検討する.年明けからは,卒業論文発表会の発表資料の作成とブラッシュアップ,発表練習を繰り返す.また,3月の衝撃波シンポジウム参加のための発表論文原稿を同時に進め,学会に提出可能な水準とする.2月中旬からは,衝撃波シンポジウム参加準備を各自で進め,発表練習をする.

 卒業論文原稿を12月末に提出する必要があるため,卒業研究に費やせる時間は,4月から12月の8ヶ月と短いです.したがって,いかに早い時期からロケット・スタートができるかが,卒研の完成度を左右します.いままで,8ヶ月という期間にわたる研究活動をしたことがない学生の皆さんにとって,「自己管理」,「集中力」,「持続力」が問われることになります.大変忙しい1年です.「できるか,できないか.」を考えるのではなく,目標に向かって「行動するか,あきらめるか.」の選択です.努力し,行動する学生には水書は支援を惜しみません.

 

 当研究室の年中行事は,以下の様になっています.ほぼ,毎月研究室の行事が予定されています.これらは,学生幹事を中心にして計画,実施されています.研究室活動は,個々の研究だけではなく,このような年中行事に取り組むことを含みます.そのため,一部の行事をのぞき,年中行事には「全員参加」で取り組みます. 

主たる行事 概要

4月

研究ゼミ生(B3)歓迎会  新人研究室学生の皆さんに先輩学生に自己紹介をしてもらいます
6月  超音速風洞実験(1週間)  JAXA宇宙科学研究所の高速気流総合試験施設にて,研究室の研究テーマに関する超音速風洞実験を実施します.研究室全員が,役割分担して実験に参加します.3年生は,研究室の見習い期間中ですので見学のみです.
7月 暑気払い  6月の超音速風洞の打ち上げとしてビアガーデンでの懇親会.研究室内の活性化を図ります.酒宴でも研究に関する議論が展開されます.
8月 合同研究発表合宿(夏)  年度前半の研究成果のまとめです.他の研究室と合同で,山中湖セミナーハウスで研究発表します.各自の研究内容に対して質問攻めとなります.3年生にも発表してもらいます.
9月 デトネーション研究会「夏の学校」  デトネーション研究に携わる学生を中心に参加します.国内のデトネーション研究の主要な大学が2泊3日の合宿で勉強会を実施します.参加学生には,研究室紹介を発表してもらいます.この分野では,国内一流の一研究室の学生と交流します.
10月 経済産業省主催「火薬類保安技術試験」  爆発現象を担当している学生を中心に参加します.2週間かけて,陸上自衛隊北海道矢臼別演習場での野外爆発実験に,産業技術総合研究所とともに,参加します.100人規模の組織的な実験の一員として従事します.
11月 近距離見学会  日帰りで研究所もしくは民間会社の工場見学をします.事前勉強会では,見学先についての調査・発表をします.
12月 研究室大掃除・年末懇親会  1年を締めくくるため,1日かけて研究室の大掃除を全員で実施します.その後,懇親会を実施します.
2月 長距離見学会(2泊3日)  2泊3日で研究所見学とスキーツアーです.
3月

衝撃波シンポジウム参加

 国内での衝撃波,高速気流研究者が集まる大きなシンポジウムです.各自の研究成果を国内の研究者の前で,発表してもらいます.

研究引継&卒業生追い出しコンパ

社会に出て行く先輩から後輩への研究の継承をします.

合同研究発表合宿(春)

 年度のまとめの発表会です.やはり,質問攻めです.